引っ越し

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久しぶりにカリフォルニアのSからメール。
携帯電話でメッセージのやりとりができるようになったからやろうよ、というか、なんか、そんなような。
でも携帯電話持っていないんだよね。

Sは福岡で留学生会館という名の寮(家賃3000円ちょっと)に住んでいた時に同じ階にいたアメリカからの交換留学生で、チューターとして電車の乗り方やパンの買い方や大学への行き方を教えていたら、ありがちな話だけど、気に入られてしまったのだった。無茶苦茶濃いラテン系(というよりはメキシコ系?)の顔で、愛の言葉をささやく時にはスペイン語に限るとかいうタイプの人で、若くてお調子者で、でも自分の会社を持っていたりしてなんだか羽振りがよい人だった。そのせいか妙に自信家な所があって女の子は絶対に自分に落ちると思っているようなところがあって、「いや、本当にそんな気はないから」ということを理解してもらうのに時間がかかった。というか、そういうことを言うとすごく寂しそうな顔をするからついこっちが悪い気になってかまってしまう、という私の優柔不断さもあってのことだとは思うけど。しかしさんざんイライラさせられたた後であっても、ドアの外に「君と一緒に食べたかったんだけど...」というメッセージ付きのミニケーキなどを置かれてはついこちらが悪かったんじゃないか、という気にもなってしまわないだろうか。まぁ、要は甘え上手なラテン男というだけです。

まぁ、ばたばたしていたのも最初の数カ月だけで、彼は彼でちゃんと落ちてくれる女の子を見つけて(しかも複数)それなりに日本での生活を楽しんでアメリカへ戻っていったようだった。その後突然アフリカとかスペインとか、旅行先からメールをCCで送ってくれることはあったけど、特に個人的なメールのやりとりはしていなかった。最初は30人くらい含まれていた彼のCCメールも少しづつ人数が減っていって今では十数人といった感じだろうか。最初のころはちらほらと見られた日本人の名前もすっかりなくなった。こういうのってどういう基準で名前を削除するのだろう、と不思議に思ったりもするのだけれど、なぜか私のもとにはまだメールが届く。しかも、そうだった、最後にメールを出した(たしか2年ぐらい前)時の返事が"i still remember that you kissed me."とかで、相変わらずだなー、と思ったのだった。ちなみに私が彼にキスをしたことはない(断言)。もし今返事を書いてもまだ同じことを言ってくるのだろうか。というか、彼のメールリストはこれまでキスをしたことある人という基準で設定されているのだろうか。いや、でも男性も含まれているけど。そして、何年たってもそういうことを言ってくれる人がいるというのはある意味貴重なことなのだろうか、と、フェミニストに怒られそうなことを思ってみたり。

デリダが死んで、ブッシュが再選して、初雪がふったこの間に私生活において何かがあったかというと、特に何もなかったりして、その何もなさぶりに焦りを感じたりもするのだけれど。でもそれなりに、毎日書いたりしています。あとNYCにいったりもしました。そして引っ越しもしました。写真はステチーのセクション。 

 
December 2004
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