獣たちの性宴 イクときいっしょ

獣たちの性宴 イクときいっしょ/1995.10.13/日本/63min./カラー ワイド/今岡信治

今日『獣たちの性宴 イクときいっしょ』(原題:彗星まち)を見た.
始まる前の早川義雄の歌声(っていうかつぶやき)が淡々と流れる場の雰囲気にアングラ感をそそられました.
そんでもってこの映画.なんかすごくよかったなあ...
いろんな所で書いているけど,本当にすごく切ない...っていう言葉がぴったりな作品でした.
登場人物の状況とかがもうバシバシ...じゃないなあ...ズキズキかな...染み渡ってくるの自分の中に.本当にそんな感じ.
カメラの動きとか全体的な色もすごくすきだったし.最後の方で岬の上の方でガソリンかぶって燃えてるシーンとか...なんかちょっと『気狂いピエロ』のラストと重なったりしました.
多分,この映画にある切なさの所以っていうのは,あれだな全体的な倦怠感とか閉息感とか救いのなさ感みたいなものがあって,でもそんなどうしようもない状況なんだけどそんな毎日の中にも,刹那的ではあるにしろもしかしてまだ大丈夫なんじゃないかっていう気持ちにさせてくれる美しい瞬間があるっていう,その美しい瞬間(川に飛び込んでみんなで戯れあうシーン)の存在にあるんだろうなあ...だってあのシーンは本当に本当に美しいんです.私,泣きそうになりました.このどうしようもない日々に湧いて出たような美しい一瞬の話は,今岡さん自身の文章の中にも出てきます.
でも...やっぱり絶望的...っていうか最後に残るのはどうしようもないやるせなさ.なんですね...彗星をよぶためのおまじないを絶叫する声だけが残るラストは,本当に泣きます...あ〜...切ない...
でも本当にいつまでもどこかにゴロッて残っているんですよね.この映画からくるある感覚が...それがとてつもなく気になるのです. 

posted by f at 2000/06/19 2:10
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