ファザーレス

ファザーレス/1998/日本/78min./VTRカラー/茂野良弥

今日は大学で『ファザーレス』を見た.これで2回目です.1度目と比べるとちょっと違った見方の可能性とかが個人的に見えてきて,ちょっとした発見でした.
まあ,ラストについてなんですけどね.やっぱりあのラストはちょっとひっかかります.
「僕のファザーレスは終わった...」っておい!終わっていいのか!それで!!って感じで...
あのラストは自己のあり方を不完全なものとする不在としての父親像を,義理の父との関係回復を通じて再び獲得する...というふうにしか見えないっていうのも確かにあるんだけど...でもやっぱりそれだとおもしろくなくて...っていうかもっと違う見方の可能性もあるかな,と思うわけで...
やっぱり個人的には,映画の最後で宣言される「ファザーレスの終焉」は,単に自分に欠けていたものを何かによって埋め合わすことができた...という意味での終焉ではなく,もはや「ファザー」や「家族」...なんでもいいんだけど,とにかくそういうものが,自己を形成する要素,それを獲得することによって自己のアイデンティティとか社会性とか...そういったものが保証される要素ではなくなったのだ,と.そういう意味での「ファザーレスの終焉」であると考えたい気持ちです.映画のラストに示されるのは,家族との和解ではなくむしろ決別であって,そういったものとの絶対的な断絶を抱えたまま生きていく決意なのだと... 
う〜ん...モダンだ...

posted by f at 2000/07/07 2:05
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