flagstaff, arizona

アメリカに来て一つ不思議なことは,みんな単に"where are you from?"だけじゃなくて"where are you originally from?"って聞くんだよね.
んでそれぞれ,アイルランドとかドイツとかって答えて,もし同じ国出身だったりすると妙にシンパシーとか感じるみたいで...
ドイツ出身とかいったってそんなんどうせひーひーひー...おばあちゃん・おじいちゃん世代でしょとかって私なんかは思うわけですが,彼/女等も別にその国にいったことあるとか思い入れがあるとかではないみたいですが,でもオリジナリーにどこから来たかってことは彼/女等のアイデンティティ形成の過程においては結構重要なことらしい.

人によっては自分のオリジナリーな出身地の旗とか持ってるしね.家庭でも割とそういう話は聞くらしい.
でもそういうことが大事になるっていうのも分かる気がして...というのも,やっぱりアメリカみたいに大部分が移民によって占められている場合,あともしかしたらアメリカ国内におけるネイティブの人たちの問題とも関係しているのかもしれないけど,やっぱり自分達はあくまでも後からやってきた支配者であって,そういう意識を持つとやっぱり
それじゃ自分はいったいどこから来たの?どこに根ざしているの?
っていうことを考えちゃうのではないかと.

個人のアイデンティティなんてものが,実際は現に自分のいる場所とか生活とかから切断された断片によって構成されているか...なんてことを感じちゃったりします.
いやもちろんそれは同時に自分のあり方に影響を与えてくるわけなんだけど,それはあくまでも形式としてであってそれと実在物としての自分の存在みたいなものは絶対に一致するものではないわけです.
んで,私なんかは"where are you from?"って問いに対しても"where are you originally from?"って問いに対しても答えは同じなわけで,でも何か何の疑いもなく"Japan"って答えられるかというと,それは案外そうでもなく,いったい自分がどこから来て(=どこに属して)っていう問題はそんなに簡単に断言できるようなものではないとか思ったりもして...
そういえばテキサスではね,"where are you from?"っていわれて,こっちが"Japan"って言ってるのに全然通じなくて,なんでかと思ったら私にそれを聞いた彼女はJapanっていうのはテキサスのどこかの地名だと思っていたらしく(テキサスに住むテキサス人は世界=テキサスと思っているからね:笑)一生懸命どこだか考えていたってことがありました.その時に思ったのは,みかけも発音もアジア(日本)人な私でさえ,周りの環境によっては自分の属する場というものが曖昧というか,自分が答えたものと相手の想像するものとが一致しない状況に陥ると.
それがなんかすごくおもしろいな...っていうか快感でした(笑). 

posted by f at 2001/08/06 2:52
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